2012/02/23「3DCGツールとUnityによるゲーム開発実践セミナー」レポート その1:mayaとは?Unityとは?その連携について


http://www.info-event.jp/autodesk/maya-unity/


随分と遅れてのレポートになりますが、先月行われたAutodesk/Unity社主催のUnityセミナーのレポート記事です。
既に当日のレポートは各WEBサイト様なりTogetterなりにまとめられていますので、そちらを参照いただいたほうがよいかも。

■[Unity][Unity3d]「3DCGツールとUnityによるゲーム開発実践セミナー」開催
http://d.hatena.ne.jp/nakamura001/20120224/1330056162

■「UnityでiPhone向け3Dゲームを作る」レポート
http://d.hatena.ne.jp/Aqu/20120223/1330013483

■3DCGツールとUnityによるゲーム開発実践セミナー #autodeskunity
http://togetter.com/li/262530


本記事ではスライドの内容を追いつつ、特に僕自身が気になったことを補足させていただこうかと思います。
セミナー自体がなんとなく3部構成だったので、記事も3回に分けて書かせてもらおうかなと。


まずは、主催者であるAutodesk/Unityの講演。
「mayaとは?Unityとは?その連携について」と題して。まあタイトルそのままの内容です。


※ちなみに協賛にGREEとかも名をつられてます。あと、アマナイメージズ?という聞きなれない会社も協賛として参加していてなんぞここ?と思ってたのですが、実はCG業界にいろいろと関わっている会社だったのね…。知らんかった。詳細はのちほど。
※あと、当日のセミナー会場には当然プレスの方もいたわけですが、彼らのカメラのフラッシュが限りなくうざかったです。同じように感じていた人もいてクレームが入ったのかはわかりませんが、後半はちょっとおとなしくなった気がする。
※あとこれは要望なのだけど、CGとかIT系に限らず、セミナーは椅子だけじゃなくて机が欲しいなあ…ノートPC持ってったんだけど、膝に置いて打つのがしんどくて、すぐ紙メモに切り替えました。机の分面積狭くなるのはあれだけど。でかい箱が必要なら、その分有料でもいいから。



■mayaとは?Unityとは?その連携について

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Autodesk講演

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mayaの説明

  • 販売中のmayaトレーニングブック3では、Unityとの連携についても解説している。

Autodesk Maya トレーニングブック 3

Autodesk Maya トレーニングブック 3


Mudboxの説明

  • 巨大なテクセル(Giga Texel)が扱えるように。


上記、各種ミドルウェアについて補足。

  • HumanIKは名前の通りキャラクターアニメーションに関わる技術。mayaにはFBIK(フルボディIK)として統合されています。
  • Ptexは、米ディズニー社が開発したテクスチャマッピング技術です。UVの概念がないらしい。>http://www.ousam.com/blog/2010/01/17/597
  • Beastはよくわかりませんが、上記リンク見る限り、リアルタイムでのGI(グローバルイルミネーション)ライティングに関わるものらしい。
  • Alembicも知りませんでした。異なるソフト間で、シーンファイルの互換性を保てるようですね。>http://cgworld.jp/feature/report/alembic.html

Unity講演

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概要

  • 日本では?90万人が利用?(あやふや)
  • エディタ自体を拡張可能
  • 最新の3.5では、AIナビゲーションメッシュ、ライトプルーブなどのリッチな機能も実装
  • Unity Web PlayerはブラウザベースのMMOなどでも採用されている。
  • 全世界で1億人がインストールし、毎日500万人?ペースで増加している。


AssetStore
http://unity3d.com/unity/asset-store/

  • 本人7:Unity3の取り分ルールで販売可能。
  • Total2000アイテム超
  • トップセラーは月20000ドルの売上


GREEDeNAでも採用。


日本での普及

  • 昨年比、1496%の成長。
  • 売上世界第2位
  • Unity Proの採用企業は300社を超える
  • ユーザーも3万人を超えた
  • Facebookの「Unityユーザー助け合い所」でも活発なやり取りが行われている。>http://www.facebook.com/groups/unityuserj/


上記の数字的なものは結構あやふやです。とりあえず、爆発的な勢いてユーザーも採用事例も増加してるよ、ってこと。


最新のUnity3.5で搭載された機能について補足。


他にもUnity3.5ではいろいろ機能追加されてるらしい。まとめ記事こちら。
https://sites.google.com/site/sunflowerlaboratory/project-updates/unity35gadeta

LIVE DEMO

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実際にゲーム「WET」で使用されたアセットを使用し、マップ、マップオブジェクト(ハイメッシュの像)、キャラクターの3つについてそれぞれ取り上げたデモが行われた。


・マップ

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maya

  • 新しく搭載されたビューポート2.0で、ハイメッシュのマップでも表示がサクサク。


unity

  • Unityの「Asset Server」を用いて、Win、Mac 両方の環境に同じ物をアップデート可能。
    • チーム間でのやりとりが容易に。
  • mayaのデータ(.ma)は、そのままUnityで読み込み可能。
  • Unity「SkyBox」を使ってリアルな空背景を作成出来る。


Asset Serverのデモでは、実際に.maのデータをUnityに読み込んで、それを他の環境でも同期させたりしてましたね。
SkyBoxで作った空は、非常に綺麗です。ただ後半のセミナーでは負荷が高くて使うのを断念した、という報告も。

・マップオブジェクト(像)

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Mudbox

  • テクスチャをステンシルで転写。
  • 白黒画像を用いて、レイヤーマスクもペイント出来る。
  • ハイメッシュモデルを作成→1クリックでmayaに送信


maya

  • MudboxのSDivレベルが自動的にLOD付きのモデルとしてインポートされる。
  • テクスチャもCollapse(集約)され、1枚になって割り当てられる。


Unity

  • 上記のLOD設定はそのままUnityに引き継がれて、自動的にLODレベルが設定される。
  • LODGroupで、LODのかかり具合を調整(スライダで調整してましたね。わかりやすい)
  • カリングも可能。
  • Unity上で、バンプ、スペキュラ、キューブ環境マップなど適用し、調整。


その他
ポリゴンリダクションはSoftImageが強力なので、そちらを使うとよいかも。


SDivレベルってのは、Mudboxのようなスカルプトモデラーモデリング中に分割を増やす中で作成されるものなんだけど、これがmayaでも、なおかつUnityでもLODレベルとして自動的に反映される、というのは非常に便利。
スライダによるLOD調整も明示的で、非常にわかりやすい。
LOD(レベル・オブ・ディテール。カメラとの距離に応じてモデルの詳細を変化させる)は3Dゲームでは必須の技術なので。

・キャラクター

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maya

  • HumanIKの機能と、キャプチャーデータを利用してモデルにモーションを流し込む
  • MotionBuilder(MB)に転送。


MotionBuilder

  • mayaから送られたモーションをリターゲット(キャラクタに合わせて流しこむ)
  • モーションをベイクする(プロット?)←このプロットの意味がよくわかりませんでした。
  • MBのストーリーボード機能、各モーションをクリップ化してブレンド出来る。
  • 待機(Idle)、歩く、走る、攻撃、の4つのモーションをクリップ状に連続して並べて、BreakDown。スケルトンにモーションをBake(焼付け)する。
  • 再度、mayaにモーションをアップデート。


maya

  • TIPS:mayaでモーションの保管方法をAuto→Plato?に変えておかないと、Unity上で上手く動かない?


Unity

  • 連続したモーションを細切れにして名前をつける。
    • StartFlame、EndFlameを数値設定
    • Upright(←どういう意味だろ?)すると、4つのクリップに変換される。
  • 歩き回れるキャラクターを簡単に作るには?→Unityのアセット「Charactor Controller」を使用。
    • Phisycsでキャラクターのアタリを作成。(←これはUnity本でやりました)
    • Charactor Controllerにスクリプトを差し込む。
      • ThirdPersonController
      • ThirdPersonCamera
    • カメラの設定や、歩く速度を変えたり出来る。
    • IKの機能もある。
  • キャラクターをプレハブ化して、他のシーンに持っていくことも可能。

ここで説明している、Unityでキャラクターに複数のモーションを持たせる方法ですが、以前、当ブログの記事でも取り上げたものとは違う方法です。
http://d.hatena.ne.jp/ikaakira/20111106/1320589021


僕の場合は、複数アニメーションを並列で持たせた(複数のクリップ)のですが、ここでは1本のタイムライン上に複数モーションを並べたデータを作成し、Unity上でフレーム数を指定して区切って、その後複数クリップに変換しています。
やり方としてはこっちのほうが簡単かなあ…。
なんかデータの持ち方としては、しっくりいってないのですが。


他、おそらくUnityの標準アセットで簡単にキャラクターとカメラを動かしてTPS(サードパーソンシューティング)風なものを作成していましたが、これも非常に簡単!やっぱりカメラ処理がそれっぽいとゲームっぽくなりますね。


以降、時間が余ったので、Unityいかにクオリティアップするかの話でした。

  • Terrain Editor(地形作成エディタ)が強力。
    • 山とか海とか
    • リアルタイムでペイント出来る。
  • マップへのアタリ付け
    • Phisycsから。Boxなどでつけていく。→即反映。
  • mayaオフラインファイル
    • Unity側で、既存のモーションを壊さずにアニメーションを補正出来る?(←よくわからない)
    • 補正したアニメーションのファイルを、リファレンスとして持ってくる。
    • Editファイルに情報を持たせることが出来る(これmayaの話だね)
      • テキストファイルで開ける。
      • 拘束条件、ロケータ情報などもつけることが出来る。
  • 絵作り
    • UnityのImageEffectが便利。
    • DoF(被写界深度)、FishEyeなどのリッチエフェクトが簡単に試せる。


Terrain Editorはすごい!ペイントで地形がもりもり出来ていきます。


ImageEffectも、結構揃っててすぐいろいろ試せるのはいいね。


Unityの話はまあわかったけど、むしろmayaで知らないことが多いなあ…
mayaオフラインファイルって、mayaいじってるとプロジェクトフォルダの中に出来る「Edit」っていう謎のフォルダの中身のことか?これがテキストファイルなので、maya上ではなく、テキストエディタで(オフライン)でいじれるってことなのか…?

・まとめ

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これまではmaya、maxからうまくデータが渡せないこともあったが、Autodesk/Unityで協力して煢然している。
今後は、Scaleform(Flashから書き出せるやつですね)、Beast(また出た)でも。

・Q&A

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  • mayaの標準マテリアルは、そのままUnityに持ってこれるのか?
    • ものによる。基本はUnityでの調整が必要。


Autodesk/Unityの講演は以上です。


Unity側の話はだいたいわかったので、実際に触っといてよかったなと。
むしろ、MayaのオフラインファイルとかMBまわりの知識がないのでそのへん調べとかないと。


この後、休憩を挟んで協賛企業のプレゼンでした。
※休憩中に知り合いの先生とちょいと会ったので立ち話。来期からUnityを使った授業を考えてるとのこと。)
※その最中にデジタルスケープの人も話に混じってきた。名刺いただきました。


参考:協賛企業プレゼン

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■アマナイメージズ
http://amanaimages.com/indexTop.aspx


冒頭で上げたこの会社ですが、実は国内最大手、ポリゴン・ピクチュアズ
グループに収めるけっこうな大企業だったようです。知らんかった。


本業は、ストックフォト販売。
昨年から、3Dモデルデータの販売も開始していて、12万点ほどの品揃え。
※欧米では、3Dモデル販売は大きな市場とのこと。
1点、数千円からの販売だそうです。
他に、BGM、SEの素材販売も。

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■イマジカデジタルスケープ
http://corp.dsp.co.jp/

人材紹介、派遣でお馴染みのデジタルスケープですが、
元々はデジハリの卒業生を受け入れるために作られたのが前進なんですって。
登録2万人、500社以上とお付き合いあり。受託開発もやっていて、100名以上が在籍。


DCCツール、Unityの運営導入サポートなどのコンサル業務もやってるみたいです。
力を入れているのが、多様化する開発スタイルへのコンサルティングとか。
内部制作、外部制作のメリット、デメリットを考慮。
Unity講座も準備中。
ムービーARアプリはうちだけ!と自慢してました。